開発チームのマネジメント層を置かないことに決めた話

こんにちは!ロジクラでプロダクトチームの統括をしている榊間です。
初記事なのでまずは会社紹介から、、

僕が所属している株式会社ロジクラはSaasの在庫管理アプリ「ロジクラ」を提供しており、モノを扱う全ての企業が持つ在庫問題の解決を通して、お客様の事業の基盤・インフラとなる存在になるために事業を展開しています!

 

会社組織としては拡大中で、僕が入った当初の数人しかいなかった時期から仲間も増え、会社らしくなってきたなというふうに感じてます笑

そんなロジクラですが、外部で手伝っていただいている方を含めると開発チームは現在7名で、主にロジクラのiOSアプリとWEBアプリを開発しています(各メンバーの紹介はこちら)

 

通常このくらいの規模になるとマネージャー層を作って組織マネジメントの準備を考える会社が多いと思いますが、ロジクラの開発チームではあえてマネジメント層を置かないという判断をしました。

この記事ではその背景と運用に関して紹介します!

 

背景

まずそもそもマネジメントがなぜ必要か考えた時、理由の一部を挙げると以下になります

  • チームの目標と方向性決め、全社目標とのすり合わせ
  • メンバーの管理
  • メンバーの評価

...などなど(他にもたくさんある)

 

マネジメント職が担う役割は多岐に渡り、その機能は会社を動かしていく上でどれも必要です。

ただ、機能は必要だとしてもそれを個人が担う必要はあるでしょうか。

 

会社の成長のボトルネックになる

マネジメント層をつくるデメリットとして、意思決定がマネージャーに集中します。もちろんメンバーに裁量持たせてチームをうまく回せるマネージャーであれば問題ないですが、個人のスキルに依存するので、構造的に意思決定の集中を誘発しやすいです。

全ての意思決定のたびに許可が必要になると、多数の意思決定を行わなければならないスタートアップではボトルネックになることがあります。

 

主体性の抑制

意思決定の集中により、

  • マネージャー個人で方針が合わないと却下され、多様な意見が取り入れにくくなる
  • メンバーが意思決定に関わる場が設けられない

といった現象も起こります。

その結果、メンバーそれぞれが意思決定か関わるアイデアを考えたり、行動をそもそも起こさず、マネージャーから与えられた役割をこなすことに収束し、主体性の抑制が起きてしまいます。

 

業務環境の変化によりマネジメントがさらに難しくなった

コロナの影響でロジクラも全社員フルリモートになりました。

同じ悩みを持っている会社も多いと思いますが、それぞれのメンバーとコミュニケーションをとったり、パフォーマンスを管理するということ自体が以前より難しくなったの感じています。

このような状況下において、あえて難易度の高いマネジメントをするよりは、メンバーそれぞれがある種セルフマネジメントができるような環境を作っていくことが重要だと考えています。

 

組織の方針を決めれたきっかけ

実際このような方針に転換できたのは、もともといる開発メンバーがセルフマネジメントを行えていたという部分が大きいです。

会社としても、ロジクラでは全社の数値や方針が公開・説明されているので、全員が共通認識を持ちやすく、会社の目標達成のために個人、チームでどのような意思決定を行うべきか考える機会が多い文化がありました。

採用活動においてもセルフマネジメントの部分は強調しており、実際以前の会社でマネジメント職を行っていた方が共感して入社を決断してくださるなど、同様の課題感を抱えている開発者は多いのを感じています。

 

運用上の問題点とその解決策

マネージャーが担うはずの機能は誰がやるの?

まず評価制度構築、組織事務管理、技術支援など、チームで必要だが本来マネジャーが担うような機能を洗い出し、それぞれの機能に担当者を設定しました。

こうすることで意思決定のスピードを担保しつつ、意思決定の機能が個人に集中するのを防ぐことができます。

ただ、各機能が本当に必要か、うまくワークしてるかなどは確認が必要で、チームとしてガバナンスミーティングというものを設定し、役割交代も含め定期的に見直しをはかっています。

ガバナンスミーティングとは

役割を新たにつくったり、修正したり、なくしたりする必要があると感じている人(「提案者」と呼ばれる)は、だれでも議題に自分の案を加えることができる。このようなチームのガバナンスに関わる問題が順に一つずつ取り上げられ、次のプロセスに従って採決に至る。
1提案が発表される
2問題点の明確化
3反応ラウンド
4修正と明確化
5異議申し立てラウンド
6統合ラウンド

*1

みんな平等ということ?

違います。各メンバーが担う機能の重みや量などはバラバラなので、評価もそれに合わせて変えています。

あくまで主体性の抑制をしないことが目的なので、全員同等の評価をするということではありません。

 

意思決定が遅くなるのでは? 

この取り組みをメンバーの権限を完全に平等にすることだと捉えると意思決定のたびに全員の承認が必要なのではないかという発想になり、意思決定のスピードが下がると思われる方もいると思います。

ただ、あくまで意思決定は各機能の担当者が行い、必要なのは関係者に対する事前の共有と相談のみです。

現状は人数も少なく、開発チームに関する決定はデイリースクラムなどで全体に共有できるのですが、規模が大きくなった場合はティール組織にある助言プロセスを導入しようと計画中です。(助言プロセスについては詳しく説明しませんが、ティール組織ぜひ読んでみてください!)

 

今後も自己成長を継続

以上が今ロジクラの開発チームで行っている取り組みです。

チームの規模によって問題も変わってくると思いますが、今後うまくいった・いかなかったことも随時公開していければと思ってます!

 

最後に、、

ロジクラでは一緒に開発、組織づくり手伝ってくれる人を募集してます!

ぜひカジュアルに組織・技術のことを話しましょう!

=> 応募はこちら 

*1:引用: フレデリック・ラルー ティール組織 - マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現